税理士と公認会計士
大企業(資本金5億円以上または負債額200億円以上の法人)の場合、法律で公認会計士による監査が必要と定められています。
こうした監査業務は大手の監査法人がほぼ独占しているのが現状です。
個人で公認会計士の看板を掲げている事務所は、ほぼ税理士登録をして、税理士としての業務を行っているのが実情ですので、仕事の中身においては、通常は税理士とほとんど同じと言ってもよいでしょう。
また、税理士事務所、税務会計事務所などさまざまな名称がありますが、こちらも中身は一緒だと考えてよいでしょう。
公認会計士とは
公認会計士は、1948年に制定された公認会計士法に基づき、「他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査または証明をすることを業とする」と定められています。
公認会計士の業務は監査業務と、その他の会計・税務関連業務に大きく分けることができます。
監査業務とは、株主をはじめとする一般投資家や債権者に代わり、公正な第三者の立場から企業の作成する財務諸表が適正に作成されているかどうかをチェックするものです。
この業務は、公認会計士の有資格者だけが取り扱うことができることになっています。
監査の分野では、企業の事業活動の大規模化・国際化に対応すべく組織的な監査を行うため、1966年の公認会計士法の改正により、無限連帯責任を負う監査法人が誕生しました。
その他の会計・税務関連業務に関しては、会計全般についての調査・立案・指導や、経営コンサルティング業務などが挙げられます。
また企業の経営に関して診断・立案・指導を行う経営コンサルティング業務等、極めて専門的な知識が必要とされるため、公認会計士試験は、司法試験に匹敵するほどの難関ともいわれています。
また、公認会計士には税理士となる資格も与えられます。税理士登録を行うことで、税務書類の作成や税務相談といった税理士の業務も取り扱うことができます。
公認会計士の業務
1.監査業務
公認会計士の独占業務です。企業の財務諸表にミスや偽りがないかをチェックし、証明する業務です。企業形態、業種、規模を問わず、財務書類(決算書とその作成プロセス)の「監査」と「証明」を行います。企業とは独立した公正な第三者たる公認会計士が、意見の表明を行うことによって企業の財務内容や経営成績に社会的信用を付与し、もって一般投資家や債権者の判断を誤らせないようにしています。
2.会計業務
財務書類の監査証明を行うことの前提として、財務諸表の調製、会計制度及び原価計算制度の立案・指導・助言等、不正や誤謬を防止するための管理システム(内部統制組織)の立案・指導・助言等、資金管理・在庫管理・固定資産管理等の管理会計の立案・指導・助言等を行います。
3.税務業務
税理士会へ登録することで公認会計士は税理士資格を取得し、税務業務を行うことができます。企業及び非営利法人への税務指導と税務申告、企業再編に伴う税務処理及び財務調査、移転価格税制、連結納税制度などの指導・助言、海外現地法人・合弁会社設立を含む国際税務支援、その他税務相談・指導・助言・代理(法人税、所得税、事業税、住民税、相続税、贈与税、消費税など)申告代理から税務官庁との交渉等を行います。
公認会計士になるには
公認会計士試験は、2005年までは1次試験〜3次試験までの3段階で行われていましたが、2006年から新試験に移行し、短答式試験と論文式試験の2段階での選抜になりました。
論文試験の一部科目には科目合格制(2年間有効)が導入され、現行試験のように一度にすべての科目に合格する必要はありません。
また受験制限も撤廃され、学歴等に関わらず、だれでも受験できるようになりました。
試験合格後は、
1.業務補助等に2年以上従事
2.日本公認会計士協会などが実施する実務補修の修了
の2つを満たせば、公認会計士として登録されます。
現行の「公認会計士補」の制度は廃止され、さらに受験前の業務補助経験も認められるため、現在の制度よりも早く資格を取得することができるようになります。
これからの税理士資格と公認会計士資格
公認会計士の増加に伴い、税理士登録する会計士が増えることを危惧した税理士連合会が公認会計士の税理士登録を認めるのを廃止すべきだという意見が出ています。
1.公認会計士は、税務業務(税理士法第2条第1項業務)を行うことはできない。
2.公認会計士法の改正に当たっては、以下の点に配慮すべきである。
(1)今回の公認会計士法改正の目的は、監査体制の充実を図るため、監査を行う公認会計士の増員とその質的向上を目的としたものであり、税理士業務を行う公認会計士を増員させることではない。
(2)試験制度の改正に当たっては、公認会計士及び税理士の試験において共通科目の相互免除制度を導入すべきである。
平成15年2月25日の「公認会計士法改正に関する意見」より。
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